少ない、を愉しむ。

ミニマルな部屋で穏やかに暮らす。

文化を残すためには、時代に合わせた変化が必要|2022/09/04,05 京都旅

朝6時起床。

本日から一泊二日の京都旅。

台風が近づいているはずなのに、噓みたいな快晴である。

 

電車で2時間近く揺られ、京都河原町へ。

大学定期のおかげで、500円足らずで行くことができた。

茶道部時代に来てから1年しか経っていないのに、やけに懐かしく感じる。

 

初めに伺ったのは、「松栄堂 薫習館」さん。

薫習館は、創業300年の歴史を持つ京都のお香屋さん・松栄堂が2018年7月にオープンした施設。

日本の素晴らしい香りとの出会いの場になることを願ってのことだそう。

まず入って目につくのは、「かおりBOX」。

 

天井から吊り下がっている箱。

香りで満たされた箱の中に自分から入る、新鮮な香りの愉しみ方だ。

 

また、「KUN Gacha(薫ガチャ)」というものもあった。

 

 

500円のガチャガチャで、「上品」「みやこ」「空蝉香」「丹生の花」のどれかの匂い袋が当たるという。

恋人とやってみると、二人とも「丹生の花」とお揃いであった。

余談だが、現在ハンガーにかけてルームフレグランスとして使っているが、

雨上がりの森の、白百合の花のような上品で落ち着く香りがする。

 

他にも松栄堂の歴史になぞらえた5メートルものお香など、気軽に香りを楽しむための工夫があった。

時代の変化に合わせて上手く形を変えたようである。

 

近年エッセンシャルオイルディフューザーなど、「香りもの」の人気が高まっている。

YouTubeSNSでも、香水の広告が増えた気がする。

しかし、お香は少し影が薄い。

 

理由は複数あるだろうが、最もは「印象が古臭い」からだろう。

お香と言えば「お盆に、祖父母の家に行ったときに点てるもの」のような

香りという娯楽性の高さよりも、文化・風習のイメージが優勢。

 

しかし、そのままでは業界の人気が下がり、より印象がなくなる。

どうにかして新しい世代の人気を勝ち取らねばならないのだ。

そのためには文化・風習といった「フォーマル」から、

香りものの一種としての「カジュアル」に少しずつ移行していく必要がある。

 

同じことは日本文化の多くで言うことができる。

例えば和服。

一般的な服を「洋服」というのだから、残りの半分は「和服」を着ているべきだと思うが、実際にはふだん和服を着ている人は1%にも満たないだろう。

 

しかしこのままでは衰退の一途をたどるだけだ。

京都では「レンタル着物」の店がたくさんあったが、普段着てもらうためには

ほかの対策が必要だ。

 

例えば浴衣の帯を、激しく運動しても解けないようにする。

毎日洗濯しても毛玉にならないなど、手入れを楽に。

過去の日本ではなかったような素材を使って、通気性をよくしたり、逆に保温性を高める など。

そのままの形で残していく必要はない。

「変化した形」にハマった人が、きっと「そのままの形」の良さに気づいてくれるから。

 

文化を残していくためには、時代に合わせた変化が必要である。