ラーメンに集中する|2022/09/04,05 京都旅
続いては「Vegan Ramen UZU」さん。
ミシュランガイド京都・大阪+和歌山にビブグルマンとして掲載されたお店。
入り口で、まずメディテーションオイルを手に塗るよう言われる。
すでに新体験であるが、店の中はもう別世界だ。
チームラボのアート作品「反転無分別」が展示され、作品を取り囲むように真っ黒のガラスでできたテーブルが配置されている。
ディスプレイ以外の天井、壁、床、椅子などすべてが黒く、まるで瞑想室のようである。ラーメンが出てくるとは信じられない空間だ。
メニューには7種ほどのラーメンとサイドメニュー、ドリンクが載っており、私は「抹茶」、恋人は「深緋(こきあけ)」を注文した。
ヴィーガンのラーメンということで、「味が薄いのでは,,,」と思っていたが、裏切られた。さすがビブグルマン。
俗にいう「美味いラーメン屋」に行っても、走るように食べて、しっかりと味わっていないような気がする。
だがここでは、環境のために、ラーメンに集中させられる。
強力な旨味だけでなく、麺の全粒粉の香り、玉ねぎの甘さまで感じられる。まるでフレンチを味わうかのように。
思えば、私たちはほとんどの食事を集中せずにしているのではないだろうか。
食事中、人とと話しながら・テレビやスマホを見ながらなど。
それが悪いことだとは言わない。
しかしそれが続くことで、食事に対する感謝の心を忘れてしまうのではないだろうか。
今でも思い出す味がある。
それは一週間のファスティング(断食)の後、母が作ってくれたお粥である。
ただ少し塩を入れただけのお粥だ。
しかし一週間ぶりの味覚に驚き舌が痺れ、周りの音が聞こえなくなった。
失礼かもしれないが、母の料理で一番感動したのはあのお粥である。
別にファスティングをしろとは言わない。
あんなもの健康志向のマゾヒストがやるものだ。
しかし週に一度くらい、テレビを消して、静かな音楽でも流して、
食事に集中してみてはいかがだろうか?